企業で働く看護師の給料アップの秘訣
医療機関で働く看護師は、キャリアに応じて確実な給料アップが期待できます。平均年収も民間企業のサラリーマン並みの水準となっており、収入だけを見ればかなり恵まれた環境といえます。では、医療機関以外の職場、とくに企業で働く産業看護師はどうでしょうか。
まだ産業看護師を雇用する企業が少なく、平均年収に関しては十分なデータが揃っていない状況ですが、医療機関の看護師とそれほど変わらない水準、年収400万円程度はもらえるといわれています。ただ、仕事の内容は雇用する企業によって格差が大きく、上は700万円、下は200万円程度とかなりの違いが見られます。
企業で働く看護師のもうひとつの問題点は、給料アップが見込めるかどうか。民間企業の場合、長引く景気の低迷もあり安定した昇給はあまり期待できない面もあるのです。採用当初の給料は高めでも、5年も働き続ければ医療機関の看護師にあっさり抜かれてしまうこともしばしばです。
それだけに、給料アップを勝ち取る努力も求められます。サラリーマン同様、実績をアピールして給料アップを要求すればよいわけです。医療機関の看護師は基本的にはチーム医療、ひとりの活躍やスキルが結果に決定的な役割を果たすことはまずありません。しかし、産業看護師の場合は違います。もともと、どの企業でも雇っている産業看護師は2〜3名程度がせいぜいで、当然一人一人の役割が重要になってきますし、その分結果を出した時の功績をアピールしやすい状況にあるのです。
給料アップの秘訣としてはこうした成果を目に見える形でアピールすることが挙げられるでしょう。とくに心の病を抱えた従業員を立ち直らせた実績は高ポイントになるはずです。また、健康指導に関しても具体的なデータや成果を用意できれば大きなアピール材料になってくれます。従業員の個人情報が絡むだけに、あまりあからさまにアピールするのは避けたほうがよいですが、給料アップに必要ならばどんどん活用し、労働者としての権利を勝ち取る努力をしたいところです。