企業に勤務する看護師の福利厚生
医療業界では、看護師が慢性的な人手不足に陥っています。看護師の仕事は薄給で激務、と言われますが、実際には平均年収はかなり高い水準にあり、薄給という点はあたりません。しかし高い給料でも続けられないほどの激務に晒されることが多く、それが人手不足の一因となっているわけです。そのため、医療機関では福利厚生を充実させることで働きやすい環境を整えるケースが見られます。
では、企業で働く看護師の状況はどうなっているのでしょうか。企業看護師(医務室勤務)の場合、基本的には日勤のみの勤務、企業が休みの土日は出勤する必要なしと医療機関の看護師に比べれば環境面では恵まれている面があります。ただ、一方では福利厚生の面で問題を抱えていたり、劣っているケースがあります。
企業で働く看護師にとって最大の問題となるのは働く環境でしょう。具体的に言えば、社宅や託児所の有無。医務室で働く企業看護師保健師も社宅を使用することができるのかどうか、企業の求人例を見てもこの点に配慮したものはほとんど見られません。それから託児所。医療機関ではママさんナースが働き続けることができるために託児所を設置しているところが増えていますが、企業では十分に進んでいるとはいえません。企業そのものに託児所が設置されているかどうかも福利厚生をチェックする上で重要なポイントとなるでしょう。
あとは社員旅行や保養施設などに参加したり、利用することができるか。社員旅行に参加するにしても企業看護師としての役割が求められることが多いため福利厚生の面はほとんどないのが現状です。それだけに保養施設を社員と同じ待遇で利用できるかどうかが重要になってきます。この点も求人情報から確認するのは難しいので、事前に確認しておくようにしましょう。
企業に雇われる正社員でありながら、一般の従業員とは異なる存在となる企業看護師。それだけに福利厚生がどの程度充実しているのか、どういった扱いを受けるのか、理想の職場を見つける上で大きなポイントとなってくるでしょう。