看護師として医務室で働くなら大企業か中小企業か
看護師の働き場として企業の医務室が注目されるようになっています。医療機関以外の仕事の中でもとりわけ特殊なスキルや能力が求められる仕事でもあります。企業でも従業員の心身両面の健康を維持するために医務室を設置し、企業看護師(産業看護師)を雇うケースが増えているのです。
では、看護師が医務室で企業看護師として働こうと考えた場合には、大手企業と中小企業のどちらが魅力的なのでしょうか。サラリーマンの場合、大半は大手企業への就職を希望するものです。しかし、企業看護師の場合は若干様相が異なってきます。
まず憶えておきたいのは、企業看護師が常駐する医務室を設置する企業はまだまだ限られていること。メンタルヘルスまで担う医務室となるとなおのこと。ですから、自然と選択肢も大手企業に限られてしまう面もあります。そのうえで大手と中小企業の比較を行っていく必要があるのです。
比較のポイントとなるのはまず仕事の量。どの企業でも設置している企業看護師の数はごくわずかです。従業員を数百人も抱える企業でも2〜3人の産業看護師で済ませているところがほとんどです。ですから、大手企業であればあるほど看護師ひとりの仕事が増えるわけです。数百人に対して2〜3人か、十数人、数十人に対して1人か、検討の余地があるでしょう。
もうひとつは雇用環境。中小企業の場合、経済的な余裕がないなどの理由から企業看護師をパート・アルバイトで雇うケースが多くなっています。当然雇用環境は不安定となりますし、場合によっては複数の職場を掛け持ちする必要も出てきます。これは裏を返せば自分の都合で働ける、さまざまな職場で経験を積むことができる面もあるので自分にとって最適かどうかを判断する必要があります。
こうした比較のポイントを踏まえたうえで、働くなら大手企業か中小企業かを判断するようにするとよいのではないでしょうか。決して大手企業だから恵まれている、よい環境で働くことができるわけではない点は忘れないようにしましょう。